介護医療院トワイエ尼崎

Cross Talk | 01

介護医療院について〜一人一人の人生を支える〜

尼崎中央リハビリテーション病院
介護医療院 トワイエ尼崎
院長兼施設長

立石 順

大学卒業後、第一内科(循環器)に入局し、研修医期間が終わり加賀医大にて勤務、その後兵庫医科大学の大学院で研究を行う。その後心臓カテーテルを中心に4年間臨床を経て、アメリカへ留学し、2年間研究を行う。
帰国後、大学にて講師になり、大学院をみつつ、臨床と研究を続け、論文を執筆しながら、多くの患者さんを治療する。
10年ほど前に尼崎中央病院へ入職し、心臓カテーテル治療と後輩育成に尽力する。
その後2024年の11月より、トワイエ尼崎の開院に伴い院長となる。

介護医療院 トワイエ尼崎
リハビリテーション課 主任

小川 智之

高校卒業後にリハビリの学校に入り、初めての実習にて、患者様に何もできないことに絶望するも、その経験を糧として、本当の意味で理学療法士を目指す。
卒後、尼崎中央病院に入職し、急性期から始まり、回復期、慢性期と幅広く担当し、さらに訪問リハビリにも携わる。その後老人介護施設にて11年の経験を積む。
急性期、回復期時代には、循環器、整形外科をはじめあらゆる診療科を経験し、各診療科だけでなく、セラピストとして経験できるほとんど全てを経験しているオールラウンダー。今回のトワイエ尼崎開院に伴い、現職に至る。

介護医療院の役割について

  • 立石

    介護医療に来られる方は本当に千差万別で、寝たきりの方もいれば、お話もできて、自分でご飯も食べられて、車いす操作をできる人もいます。
    そして、介護医療院は一人一人の家になります。まさに終の住処ということです。
    入所されている方は、自分の元々の家では、周りに介護士がいつもつける訳ではないし、痰の吸引が頻回に必要な方など自分の家では生活するのが難しい方であり、持っておられる基礎疾患も多種多様です。
    その中で、安全でその方一人一人に取って快適な生活を可能な限り提供することが必要になります。

  • 小川

    その通りだと感じます。
    その中で、リハ職として何ができるかというとADL(生活自立度)、QOL(人生の質)そのものだったり、またその方の尊厳を守りながら自立支援を行っていくことが重要です。
    しかし、自立支援といっても様々な形があり、一人一人に一番フィットする違う形があるのだと思います。

  • 立石

    そうですね。その一人一人の形を見つけることも介護医療院の一つの役目ですね。

  • 小川

    利用者さんを支えるチームの中で、他職種メンバー全員で、このトワイエ尼崎にできることはなんだろう?と144名の方一人一人について考え続けるということが大切です。

トワイエ尼崎でのチーム医療(介護)とは

  • 立石

    すごく感じていることですが、介護医療院での医療と介護の主役は、看護師さんや介護士さんであって、そのサポートを医師がしていると思うんです。
    病院だったら医師が治療して、そのサポートを看護師さんらが行ってくれるイメージだと思うのだけど、全くその逆のイメージです。
    また、セラピストからも提案やアドバイスをもらいながら、どのようにしていくべきか、どうのように一緒に支えていくか、沢山のアドバイスをもらっています。

  • 小川

    まさにそういった関係を今築いていられていると思います。自分達が考えたことを伝え、それを一緒に議論し、また共有しています。また、先生を筆頭に看護師・介護士も私たちセラピストを信頼して、任せてくれています。
    信頼の文化があるので、それぞれが思いを持ち、それぞれの立場で発信し行動しています。

  • 立石

    チームで依存し合うのではなく、それぞれが自立しているからこそ、同じ目標に向かって進めるのだと思います。
    そこには、職種や立場よりももっと大事なことを共有し、影響し合える関係性がいいのだと思います。

  • 小川

    そうですね。そのことを一人一人の方に、例えば「車いすに座ってもらった方がいいのか」「食事の形態やどのような形で食事をしてもらうのか」など、具体的にかつタイムリーに対話することが大事であり、できているこの状態をしっかりと継続して行きたいですね。

  • 立石

    今はまだ、始まったばかりなので、これからもっとチームとして発展していけると大いに期待しています。

トワイエ尼崎の将来展望

  • 小川

    医師・看護師・介護士・セラピストがもっと混ざり合って、お互いがお互いをもっとサポートしているようになるんじゃないかと思います。お互いの思いや考えだけでなく、知識や仕事などについてももっと共有していくとそうなれると思います。

  • 立石

    全くその通りですね。
    今や日本全体で生産年齢人口が激減している中で、人材を確保すること自体が容易ではなくなっており、どの施設であっても同じ課題を抱えています。その中で専門職種だからと言って、それだけをやっていると施設全体で見た時には、必ず人手が足らなくなると思います。
    だからこそアプローチの一つとして、職種の垣根をこえて、サポートし合うことができるようにしていくことは必須だと思います。

  • 小川

    それとすでに何例か経験していますが、例えば、前の慢性期の病院では、ほぼベッドに寝ていた方が、ここにきてから、車椅子に座ってもらうように促し、それを繰り返し行うことで、ご家族の方が来られ、それを見た時に「今まで見たことなかった。車椅子に座って笑ってくれている」と言っていただけたことがありました。こうしてスタッフ同士だけでなく、ご家族とも喜びを一緒に感じることがもっとできるところにしたいと思っています。

  • 立石

    スタッフにも利用者さんご本人にも、ご家族様にも「トワイエ尼崎で良かった」と言ってもらうるような、「真の三方よし」である施設にして行きたいと思います。